熟成肉について

2018/03/24

 なんか、どこもかしこも、肉を出している店は「熟成」という言葉をやたら使うようになった。
 適当に冷温で放置しているだけの実質「冷蔵」を「熟成」と表現していたり、ヤバいところになると、若干保存温度高めで「熟成」と言い張っている店もある。

 「熟成」という言葉に法令上の制限がないのと、適当な「熟成肉ブーム」のせいである。

 熟成肉と言っておけば、日の経った肉をありがたがって食ってくれるのだから素晴らしい話である。

 

 こんな事を言うと「熟成肉ポリス」扱いされてしまいそうだが、熟成肉というのは、いわゆるニューヨークスタイルのドライエイジングビーフを指すべきではないだろうか。

 風をあてながら余計な水分を飛ばして、表面にカビをつけたりするヤツであって、発酵のプロセスを含んでいる。
 カビをつけるあたり、「かつおぶしの仲間」と言えるかもしれない。
 専用の熟成庫が必要であるし、適切な微生物のバランスなどもあって、一朝一夕で作れるものではないという。

 ウルフギャングなんかが日本でも本物のドライエイジングビーフを食べられる店であるな。
 割と、肉に香りが出るので、ひとによって好みがあるというが、私は割と好きである。

 

 最近、肉を出している店はどいつもこいつも「熟成」とか言っている。
 ひどいところになると「霜降りの肉」に対して「熟成」というワードをあててきている。赤身を美味しく食べるための技術が熟成であって、実にとんちんかんな事になっている。

 このままいくと、いい感じに熟成というワードが拡大していって、豚やら鳥やらにまで飛び火し、果ては野菜にもつく日がやってきそうである。

 収穫後、じっくり熟成させた野菜のサラダみたいのを出す店が出てきたらどうしよう。
 レタスがしんなりして優しい口当たりに!とか・・・。

 まあ、干し野菜というジャンルはあるが・・・。

 

 ちなみに、同様のいい加減具合のものに「有機」というものがある。

 近所にある、いい加減な感じのオーガニック風食品屋で、有機の塩を見かけたことがある。
 有機塩ってそれもう「塩化ナトリウムじゃない」。

 

 そういうノリで「熟成塩」とか、よくわからない方向に拡大していって、最終的に陳腐化して、もともとのマトモなところだけが「熟成」のワードで生き残ることになるであろう。

 そして、今、とってつけたように「熟成」とか言ってる店は、そのうち何かあって「さばきたて!超新鮮」みたいのが流行ると、とってつけたように「新鮮肉」みたいな看板になるであろう。

 

 天の神様

 本当に美味しい赤身肉がもっと普及しますよう、父と子と聖霊の御名においてお祈り申し上げます。

 えいめん!

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